賃貸不動産経営管理士の試験対策を調べていると、必ず目にするのが「5問免除講習」です。受講すると本試験50問のうち5問が免除されますが、受講料と丸1日の時間がかかるため「本当に受けるべき?」と迷う人も多いはずです。この記事では、講習の内容・費用・申込の流れと、公式統計で見る修了者と一般受験者の合格率の違いを整理し、受講すべき人・見送ってよい人の目安を解説します。
本記事は編集部が一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会および講習実施団体の公開情報を調査し作成しています。
5問免除講習の概要を一覧で確認
5問免除講習の正式名称は「賃貸不動産経営管理士講習(試験の一部(5問)免除)」です。協議会の公式サイトに掲載されている令和8年度の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
| 受講資格 | どなたでも受講可(実務経験・年齢などの要件なし) |
| 免除の効果 | 修了年度とその翌年度の試験で、50問のうち5問が免除(45問を解答) |
| 講習の構成 | 約2週間の事前学習(自宅)+1日のスクーリング(9:00〜17:30)+確認テスト |
| 開催期間・会場 | 令和8年7月15日〜9月25日、全国47都道府県135会場 |
| 使用教材 | 令和8(2026)年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」(別途購入) |
| 受講料 | 実施団体ごとに異なる(例: 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の会場は18,150円・税込、教材別) |
| 令和8年度の申込 | 受付終了(令和8年5月18日に全日程の申込受付開始) |
令和8年度の講習はすでに申込・開催とも終了しています(2026年9月時点)。ただし修了の効果は翌年度の試験まで有効なので、今年講習を修了した人は令和9年度試験でも5問免除を受けられます。令和9年度講習の日程・受講料は、例年春頃に協議会の講習ページで発表される見込みです(要公式確認)。
講習の中身:事前学習+1日のスクーリング
事前学習(約2週間・自宅)
講習の前に、指定教材「賃貸不動産管理の知識と実務」を使って概ね2週間程度の自宅学習を行うことが求められています。日本賃貸住宅管理協会の受講案内(PDF)では、事前学習は「必須」と明記されており、教材は講習当日にも持参が必要です。
スクーリング(1日)と確認テスト
日本賃貸住宅管理協会の令和8年度受講案内によると、当日のカリキュラムは次のとおりで、講義は映像で行われます。
| 時間 | カリキュラム |
| 9:10〜10:50(100分) | 賃貸住宅管理総論/賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 |
| 11:00〜12:20(80分) | 賃貸住宅管理に係る契約の基本知識/賃貸借契約 |
| 13:20〜14:50(90分) | 金銭の管理等/賃貸住宅の維持保全 |
| 15:00〜16:20(80分) | 管理業務の実施(管理実務・不動産に関連する基本知識) |
| 16:30〜17:00(30分) | 賃貸不動産経営管理士 |
| 17:10〜17:30 | 確認テスト・ガイダンス |
確認テストは全10問の○×式です。協議会の案内では、修了には事前学習とスクーリング全講義を適正に受講することが条件とされ、本人確認が必須で、遅刻・途中退室は認められません(出典: 協議会 講習ページ)。カリキュラムや時間は実施団体・年度により変更される場合があります。

受講料と実施団体
講習は協議会が指定した3つの実施団体が運営しており、受講料・申込方法は団体ごとに異なります(協議会のプレスリリース)。
| 実施団体 | 受講料(税込) | 備考 |
| 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協) | 18,150円(教材費は別) | WEB申込のみ。映像講義 |
| 一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理) | 要公式確認 | 受講料・教材の扱いは団体の案内を確認 |
| 公益社団法人全日本不動産協会/TRA(全日/TRA) | 要公式確認 | 申込は協議会の講習ページから |
日管協の会場で受講した場合、受講料18,150円+教材4,400円(令和8年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」、税込)で、合計22,550円が目安です。本試験の受験料12,000円(令和8年度)とは別にかかる点に注意してください。全宅管理・全日/TRAの受講料は今回の調査で公式の金額を確認できなかったため、申込前に各団体の案内でご確認ください。
申込締切とキャンセル規定(日管協の例)
日管協の受講案内では、申込締切はクレジットカード払いが講習当日の14日前、コンビニ・ペイジー払いが20日前で、定員になり次第締め切り(先着順)とされています。確定後のキャンセルは原則不可で、やむを得ない場合でも講習21日前までは手数料3,300円を差し引いて返金、20日前以降は返金なしです。人気会場は早く埋まることがあるため、受講を決めたら早めの申込が安心です。
注意:講習の申込と試験の受験申込は別手続きです。講習を修了しても、受験申込をしなければ試験は受けられません。

講習を受けるだけで5問も免除されるなんて、受けない理由がない気がしてきました!

気持ちはわかります。ただ、受講料と教材で2万円強、それに丸1日と事前学習の時間がかかります。次の合格率のデータと合わせて、自分にとって元が取れるかを考えてみましょう。
修了者と一般受験者の合格率を公式統計で比較
協議会が公表している令和7年度試験の実施結果(PDF)では、一般受験者(50問解答)と講習修了者(45問解答)の結果が分けて集計されています。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準 |
| 一般(50問解答) | 18,395人 | 4,472人 | 24.3% | 50問中38問以上 |
| 講習修了者(45問解答) | 13,397人 | 4,898人 | 36.6% | 45問中33問以上 |
| 全体 | 31,792人 | 9,370人 | 29.5% | ― |
講習修了者の合格率は一般受験者より12.3ポイント高い結果でした。ただし、講習修了者には管理会社勤務などで実務に触れている人が多い可能性もあり、この差がすべて講習の効果によるものとは言い切れません。統計はあくまで「修了者の合格率が高かった」という事実として参考にしてください。
合格基準から見える「5問免除」の意味
令和7年度の合格基準は、一般が50問中38問以上、修了者が45問中33問以上でした。差はちょうど5問で、免除された5問を正解扱いにした場合と同じ基準になっています。つまり修了者は、試験当日に解く問題が5問少なくなり、その分の時間を残りの問題に充てられるのが実質的なメリットです。免除の扱いや合格基準は年度ごとに決まるため、最新の結果は協議会の発表を確認してください。
試験全体の難易度や勉強時間の目安は難易度・合格率の解説記事で詳しく紹介しています。
講習を受けるべき人・見送ってもよい人
| 受講がおすすめの人 | 見送っても検討余地がある人 | |
| 学習状況 | 初学者で、テキスト1冊を通読するきっかけが欲しい人 | 既に過去問で合格点付近を安定して取れている人 |
| 時間 | 平日・土日に丸1日の予定を確保できる人 | 7〜9月の講習期間に1日確保するのが難しい人 |
| 費用 | 2万円強の出費で試験負担を減らしたい人 | 受験料以外の出費を抑えたい独学派 |
| 受験計画 | 今年修了して翌年度受験の保険にもしたい人 | 今年度で確実に仕上げる計画が立っている人 |
講習は「1日で試験範囲の全体像を映像講義で一通り確認できる」点も大きく、独学の人が学習の土台づくりに使うケースもあります。独学の進め方は独学で合格できるかの解説記事と勉強法・独学スケジュールの記事、講座を使って効率よく学びたい人は通信講座の比較記事もあわせて参考にしてください。

私は初学者だし、翌年度まで有効なら来年の講習を受けてから本試験に臨むのもありですね。

いい考えです。講習前の2週間の事前学習をしっかりやれば、それ自体が良い基礎固めになります。講習と受験の申込は別なので、両方の締切をカレンダーに入れておきましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 5問免除講習は誰でも受けられますか?
A. はい。協議会の案内では「どなたでも受講できます」とされており、実務経験などの受講要件はありません。ただし申込方法は実施団体ごとに定めがあります。
Q. 免除の効果はいつまで有効ですか?
A. 修了した年度とその翌年度の試験で有効です。令和8年度試験の実施要領でも「令和7年度及び令和8年度の講習修了者は45問」と記載されています。
Q. 確認テストに落ちることはありますか?
A. 日管協の受講案内では確認テストは全10問の○×式とされています。修了には全講義を適正に受講することが条件で、遅刻・途中退室は認められないため、テストよりも当日の出席ルールに注意が必要です。修了判定の詳細は各実施団体の案内で確認してください。
Q. オンラインだけで受講できますか?
A. 令和8年度の協議会の案内では、講習は全国135会場でのスクーリング(1日)を含む形式です。自宅だけで完結する形式ではないため、会場への移動も含めて予定を立てましょう。
Q. 合格した後に必要な手続きは?
A. 試験に合格しただけでは賃貸不動産経営管理士を名乗れず、登録手続きが必要です。詳しくは合格後の登録方法・登録実務講習の解説記事をご覧ください。
まとめ
5問免除講習は、誰でも受講でき、修了すると修了年度と翌年度の試験で50問中5問が免除される制度です。日管協の会場なら受講料18,150円+教材4,400円が目安で、約2週間の事前学習と1日のスクーリングが必要です。令和7年度の公式統計では修了者の合格率36.6%に対し一般は24.3%でしたが、受講者層の違いも考えられるため過信は禁物です。費用・時間と自分の学習状況を照らし合わせ、講習と受験の両方の申込期限を忘れずに計画を立てましょう。
※本記事は2026年9月時点で一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の公式サイト(講習ページ・試験実施要領・令和7年度試験結果)および公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の令和8年度受講案内に掲載された情報にもとづき作成しています。受講料・日程・カリキュラム・免除の扱いは年度や実施団体により変更される場合があります。受講・受験の際は必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。合格率は過去の実績であり、合格を保証するものではありません。
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