賃貸不動産経営管理士試験に合格しても、それだけでは「賃貸不動産経営管理士」を名乗って業務にあたることはできません。試験合格後には別途「登録」の手続きが必要で、実務経験がない場合は「登録実務講習」の受講が求められます。この記事では、合格後の登録要件・登録実務講習の内容と費用・登録の流れを、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の公式情報にもとづいて解説します。
本記事は編集部が賃貸不動産経営管理士協議会などの公開情報を調査し作成しています。
登録にかかる費用の目安
登録にかかる費用は、実務経験の有無や合格からの経過期間によって変わります。まずは全体像を一覧で確認しましょう(いずれも2026年9月時点、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の公式発表による)。
| 手続き | 対象となるケース | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 登録料 | 登録要件を満たした全員が必要 | 6,600円(資格証発行手数料4,500円を含む) |
| 登録実務講習 | 管理業務の実務経験が2年未満の場合 | 20,000円 |
| 登録講習 | 試験合格から1年以上が経過している場合 | 12,000円+事務手数料400円(別途、登録料6,600円が必要) |
出典: 一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会「賃貸不動産経営管理士の登録手続き」、同協議会「賃貸住宅管理業務に関する実務講習」、同協議会「賃貸不動産経営管理士登録講習」
登録の要件は「実務経験」と「合格からの経過期間」の2軸
賃貸不動産経営管理士として登録するには、次の2つの軸をそれぞれ満たす必要があります。
- 実務経験の軸: 委託を受けて賃貸住宅の管理業務に2年以上従事した経験があるか、または「登録実務講習」を修了して同等の能力があると認められること。
- 経過期間の軸: 試験合格から1年以内に登録するか、1年を過ぎている場合は「登録講習」を修了すること。
なお、自主管理(自分で保有する物件を自分で管理すること)は実務経験には該当せず、あくまで「委託を受けて」管理業務にあたった経験であることが条件とされています。

私は不動産会社に勤めていますが管理業務の実務経験はまだ1年ほどです。このままだと登録できないんでしょうか?

実務経験が2年に満たなくても大丈夫ですよ。「登録実務講習」を修了すれば、実務経験2年と同等の能力があると認められて登録できます。合格したその年のうちに動けば経過期間の要件もクリアできますね。
登録実務講習とは
登録実務講習は、管理業務の実務経験が2年に満たない試験合格者(および、実務経験のない宅地建物取引士)を対象にした講習です。修了することで、実務経験2年を有する者と同等以上の能力を有すると認められます。
- 学習方法: テキスト冊子による自主学習(18時間)と、インターネットを使ったeラーニング(7時間)の組み合わせ
- カリキュラム: 定期報告・トラブル対応などの維持保全業務を中心に、実務に即した内容を3時限に分けて学習
- 修了要件: eラーニングの修了試験で7割以上正解すること
- 費用: 20,000円(税込)
- 実施団体: 一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会

合格から1年を過ぎてしまったら「登録講習」
仕事の都合などですぐに登録手続きができず、試験合格から1年以上が経過してしまうケースもあるでしょう。その場合は、実務経験の有無にかかわらず「登録講習」の修了が必要になります。
- 対象者: 試験合格から1年以上経過し、かつ実務経験2年以上(または登録実務講習修了)の要件を満たしている人
- 学習方法: オンライン(eラーニング)、合計6時間のカリキュラム
- カリキュラム内容: 賃貸不動産経営管理士の使命と役割/法令/税/建物・設備の知識/紛争処理及び防止/管理をめぐる事例
- 修了要件: 修了試験で7割以上正解すること
- 費用: 講習受講料12,000円+事務手数料400円(税込、別途登録料が必要)
つまり「実務経験が足りない人向け」の登録実務講習と、「登録が遅れてしまった人向け」の登録講習は、目的も費用もまったく別のものです。混同しないよう注意しましょう。
登録の流れ(ステップまとめ)
- 賃貸不動産経営管理士試験に合格する
- 実務経験2年以上あるかを確認し、足りなければ登録実務講習を受講・修了する
- 合格から1年以上経過している場合は登録講習も受講・修了する
- 顔写真(6ヶ月以内撮影)、実務経験証明書または講習修了証などの必要書類を準備する
- 登録専用サイトから登録申請を行い、登録料を支払う
登録の有効期間は5年間で、期限が近づくと更新手続きが必要になります。まずは通信講座で試験対策を進め、合格後の登録もあわせてスケジュールに入れておくとスムーズです。
よくある質問
Q. 登録しないとどうなりますか?
登録していない状態では「賃貸不動産経営管理士」を名乗ることができず、賃貸住宅管理業法上の業務管理者の要件も満たせません。試験に合格しただけでは資格を実務で活用できないため、業務で使う予定がある場合は登録まで済ませておく必要があります。
Q. 実務経験2年はどう証明しますか?
勤務先の証明を受けた実務経験証明書(所定の様式)を提出します。証明を受けられない場合や実務経験が2年に満たない場合は、登録実務講習を修了することで代替できます。
まとめ
賃貸不動産経営管理士試験に合格したら、実務経験の有無と合格からの経過期間に応じて、登録実務講習または登録講習の受講を検討し、早めに登録手続きを済ませておきましょう。資格を実際の業務に活かすには、試験合格がゴールではなく「登録」までが一連の流れであることを押さえておくことが大切です。
※本記事の登録要件・費用は一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の公式サイト(2026年9月時点)の発表にもとづいています。制度・金額は変更される場合があるため、実際に手続きを行う際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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